信じがたい事実
きっかけ
同軸コリニア研究会発足から間もない頃ある港湾土木業者から「AIS用同軸コリニアアンテナ」の発注を頂いた。
当時は趣味の範囲で移動用設備としての強度しかなく固定設備としての有償提供はメンバー内でも慎重論はもあった。
しかし相手先からの要望も強く有償提供に踏み切らざるえなかった。
同軸コリニア研究会発足から間もない頃ある港湾土木業者から「AIS用同軸コリニアアンテナ」の発注を頂いた。
当時は趣味の範囲で移動用設備としての強度しかなく固定設備としての有償提供はメンバー内でも慎重論はもあった。
しかし相手先からの要望も強く有償提供に踏み切らざるえなかった。
AISとは
船舶自動識別装置の略。周波数162MHz前後を使用し出力12.5Wアンテナも5/8λ2段と設備ほぼ一定でアンテナ伝搬の比較用としてはベスト(アマチュアはアンテナも出力もロケも大きく違いそれを勘案せずにアンテナ比較は出来ない。)
船舶自動識別装置の略。周波数162MHz前後を使用し出力12.5Wアンテナも5/8λ2段と設備ほぼ一定でアンテナ伝搬の比較用としてはベスト(アマチュアはアンテナも出力もロケも大きく違いそれを勘案せずにアンテナ比較は出来ない。)
同軸コリニアアンテナ設置工事完了
そのプロジェクトは2017年2月にはシュンセツ船へのアンテナ設置、5月には基地局へのアンテナ設置が完了した。
この日設置担当者から連絡を頂いた。「これまで湾内の36隻しか見えなかったのが100隻位見える」と連絡があった。
提供したアンテナは1/2λ8段同軸コリニア、以前使っていたアンテナはメーカ製5/8λ2段GPだった。利得差はたった3dBだ。
利得差3dBでは3倍も受信範囲が広がるわけがないのだ。3倍広がる為には20dB近い利得差が必要だ
そのプロジェクトは2017年2月にはシュンセツ船へのアンテナ設置、5月には基地局へのアンテナ設置が完了した。
この日設置担当者から連絡を頂いた。「これまで湾内の36隻しか見えなかったのが100隻位見える」と連絡があった。
提供したアンテナは1/2λ8段同軸コリニア、以前使っていたアンテナはメーカ製5/8λ2段GPだった。利得差はたった3dBだ。
利得差3dBでは3倍も受信範囲が広がるわけがないのだ。3倍広がる為には20dB近い利得差が必要だ
侃々諤々
この結果を受けメンバー内で検討したが『以前のアンテナの同軸が切れていたのでは?』が大勢だった。
微かな可能性を求めて調査解析が始まった。しかし結果は悲惨なものだった。
解析ツールによる利得比較では全く優位性はない。Sメータやスペアナも他形式アンテナの電界強度が強い。
思いもせぬ結論
調査に疲れて諦めかけた頃、430MHzでメーカ製アンテナと同軸コリニアを切替ていて気付いた。
メーカ製GPで聞こえない局が聞こえるのだ。しかも1局だけではない。
慌ててスペアナで電界強度を計測し全てが判明した。
X7000での電界強度-98dBm,12段同軸コリニアでは-104dBmだ。
電界強度の強い方が聞こえないのはこれはノイズだからだ。
つまりノイズレベルが-98dBmである。逆に同軸コリニアは-104dBmで信号を受信出来ている。
ノイズレベルを測定すると-110dBm程度だった。ノイズフロア付近でこれほど利得差が生じているとは!!
その後、追試するアマチュア局も現れ逆にこの実験が証明されることとなった。
アンテナ性能は利得だけでなくノイズフロアも加味すべき
(八木もループも都市部のノイズフロア比較では全く相手にならない)
下図が実際に測定した受信能力をプロットしたものだ、正に驚異の受信能力だ。
(但し都市ノイズの少ない場所ではこれほど差は開かない)
この結果を受けメンバー内で検討したが『以前のアンテナの同軸が切れていたのでは?』が大勢だった。
微かな可能性を求めて調査解析が始まった。しかし結果は悲惨なものだった。
解析ツールによる利得比較では全く優位性はない。Sメータやスペアナも他形式アンテナの電界強度が強い。
思いもせぬ結論
調査に疲れて諦めかけた頃、430MHzでメーカ製アンテナと同軸コリニアを切替ていて気付いた。
メーカ製GPで聞こえない局が聞こえるのだ。しかも1局だけではない。
慌ててスペアナで電界強度を計測し全てが判明した。
X7000での電界強度-98dBm,12段同軸コリニアでは-104dBmだ。
電界強度の強い方が聞こえないのはこれはノイズだからだ。
つまりノイズレベルが-98dBmである。逆に同軸コリニアは-104dBmで信号を受信出来ている。
ノイズレベルを測定すると-110dBm程度だった。ノイズフロア付近でこれほど利得差が生じているとは!!
その後、追試するアマチュア局も現れ逆にこの実験が証明されることとなった。
アンテナ性能は利得だけでなくノイズフロアも加味すべき
(八木もループも都市部のノイズフロア比較では全く相手にならない)
下図が実際に測定した受信能力をプロットしたものだ、正に驚異の受信能力だ。
(但し都市ノイズの少ない場所ではこれほど差は開かない)